子供・女性
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2020.11.30
子供・女性
令和2年度が計画初年度である「第4次岐阜県少子化対策基本計画」。男女ともに活躍しながら、結婚や出産の希望がかなう岐阜県をめざし、4つの柱を立てて取り組んでいます。地域や企業、行政が協力し合い、社会全体で支える機運を高め、結婚や出産、子育てがしやすい環境、仕組みづくりを行っています。
<1>地域における妊娠・出産・子育ての切れ目ない支援
(1)妊娠から子育てまでのきめ細かな支援の充実
〇「子育て世代包括支援センター」を拠点とした相談・支援体制の充実
妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を行う相談支援拠点である子育て世代包括支援センターを全市町村に設置し、各市町村における母子保健と子育て支援の一体的な提供を通じた支援体制づくりと、県内子育て世代包括支援センターのネットワーク化を支援します。
〇不妊や不育に悩む人への支援の充実
・医療保険が適用されず、高額な医療費のかかる不妊治療費に対する助成を行うことで、経済的な負担軽減を図ります。
・不妊や不育に関する様々な悩みや相談に応じるため、岐阜県不妊相談センターにおける専門相談を行います。岐阜県不妊相談センター専門相談員の専門性の向上に努めるとともに、不妊に悩む方が相談しやすい環境づくりに努めます。
・不妊や不育に関する正しい知識の普及啓発や適切な情報提供に努めます。
〇妊娠中からの健診、保健指導の充実
・妊産婦の心とからだの健康管理体制を充実させるため、妊娠届の早期届出や人部健康診査の受診勧奨、産婦健康診査等の妊産婦に対する支援事業について、市町村における積極的な取組を支援します。
・妊娠届出書や「母と子の健康サポート事業」を活用し、医療機関と市町村が連携を図り、出産や子育てへの不安を抱える妊婦を早期把握し、必要な支援の実施に努め、妊娠期からの切れ目のない支援体制の構築に努めます。
〇妊娠・出産に伴う母親のメンタルヘルス支援の充実
・妊産婦及びその家族に対して妊娠・出産に伴う母親のメンタルヘルスに関する知識の普及啓発を行います。
・市町村において産婦検診、産後ケア、産前・産後サポート事業が実施されるよう、関係機関との調整等実施体制確保に向けた支援を行い、市町村における産前産後の支援メニューの充実を図ります。
・精神面に問題をかかえる妊産婦を支援するため、医療機関(産科・精神科・小児科)と行政(市町村等)の連携による広域的な相談・支援・診療体制の構築に向けた協議を進めます。
・妊産婦メンタルヘルス支援に関わる医療機関・保健所・市町村等の支援従事者に対する研修会を開催し、支援人材の育成・充実を図ります。
【目標となる指標】
項目 | 現状 |
目標 |
子育て世代包括支援センター(母子健康包括支援センター)設置市町村数 | 26市町村 (R元年9.1) |
42市町村 |
EPDS(エジンバラ産後うつ病質問票)を導入している市町村数 | 23市町村 (H31.3.31) |
42市町村 |
妊娠・出産包括支援事業、産婦健康診査事業を実施している市町村数 | 11市町村 (H31.3.31) |
42市町村 |
〇病気や障がいの早期発見、早期治療のための母子保健対策の推進
・先天性退社異常症等検査や新生児聴覚検査事業における検査体制の管理と、検査データの集積・分析を実施し、検査事業毎に設置した検討会において検査及び療養支援上の課題について検討を行うことにより、事業実施体制の維持・充実に努めます。
・疾病や障がい、発育・発達に問題を抱える子どもや、育てにくさや育児に不安を感じる保護者を早期に把握・支援する体制を強化するため、市町村における乳児健康診査等の充実を支援します。
・母と子の健康サポート事業による病気や障がいを持つ子ども等支援対象者を早期に把握し切れ目のない支援を提供するため、圏域毎の連携調整会議を開催し、市町村保健センターや医療機関等多職種連携による支援体制の充実を図ります。
・乳児検診や低出生体重児のフォロー体制等に関し市町村が抱える課題を把握し、保健所が実施する母子家保健推進協議会等により課題の解決に向けた検討を行います。
・母子保健事業を円滑かつ適切に進めるため、母子保健に関わる地域の保健従事者を対象に研修会を開催し、資質の向上に努めます。
〇安心・安全な出産ができる周産期医療体制の整備
・総合周産期母子医療センター(岐阜県総合医療センター)をはじめとする三次周産期医療期間(長良医療センター、岐阜大学医学部附属病院、岐阜市民病院、大垣市民病院、県立多治見病院、高山赤十字病院)を中心に、各産科医療機関との連携による周産期医療体制を構築していきます。
・リスクの高い妊産婦や新生児を受け入れ、高度で適切な医療を行う体制を維持するために、三次周産期医療機関等への支援を行います。
・院内保育所の運営、短時間勤務や当直免除の導入など、子育て中の女性医師が働きやすい環境整備への支援により、周産期医療に携わる産科・小児科医師等の確保及び県内定着を推進します。
・周産期医療従事者への技術の向上と図るための講習会等を行います。
【目標となる指標】
項目 | 現状 |
目標 |
周産期死亡率(出産1,000対) | 3.8 (H29) |
3.0 |
新生児蘇生法講習会の受講者数(累計) | 1,350人 (H31.3.31) |
1,900人 |
〇小児医療体制の整備
・小児重症患者を受け入れる小児救急医療拠点病院の運営支援を行います。
・重篤な小児救急患者を受け入れる小児救命救急センター、小児集中治療室(PICU)の整備の促進及び運営支援を行います。
・夜間や休日における保護者からの相談に対応するため、小児救急電話相談事業を実施します。
〇予防接種体制の強化
・予防接種に関する正しい知識の普及を進め、市町村や医師会等関係者と連携し、接種率の向上を図ります。
・的予防接種の広域化に取り組むなど、岐阜県予防接種センター(岐阜大学医学部附属病院)と連携し、予防接種体制の充実を図ります。
・妊娠を望む女性や妊婦の周囲に対する風しん抗体検査や予防接種の推進を図り先天性風しん症候群の発生予防に努めます。
・小児がん治療で骨髄移植などを受けた影響により、定期予防接種ワクチンの抗体が失われた20歳未満の方を対象として再接種費用の助成を行う市町村を支援します。
(2)学童期・思春期から成人期に向けた保健対策の充実
〇思春期のこころと身体の相談体制の充実
・女性健康支援センターによる若年者の健康や性に関する悩みへの相談体制の充実と、関係機関が連携した地域の支援体制の構築を図ります。
【目標となる指標】
項目 | 現状 |
目標 |
思春期保健対策(性に関する指導、肥満及びやせ対策等)に取り組んでいる市町村・保健所数(42市町村・7保健所) | 39 (H31.3.31) |
49 |
〇妊娠前からの適切な健康管理と健康の保持増進の推進
・学校と連携し学童期・思春期から、食生活や運動、休養等健康の保持、その他の生活習慣に関する正しい知識の普及を図り、子どもたちが自ら心と体を守るための行動ができるように働きかけます。
・女性が、自らのライフサイクルを通じて変化する健康状態を理解し、適切なケアを行う事ができるよう、情報の提供や相談体制の充実を図ります。
・乳がん、子宮頸がんなど女性特有のがんを早期発見し、早期治療につなげるため、これらのがん検診について啓発を行うほか、未受診者にはがん検診の実施主体である市町村から再勧奨するなど、がん検診を推進します。
・将来こどもを望む若いがん患者が、がん治療に際し、生殖機能を温存するための費用を支援します。
(3)利用者に寄り添った相談・情報提供の充実
〇身近なところで相談を受けたり、情報が得られる総合窓口の充実
住民に身近な市町村の地域子育て支援拠点施設等において、子育て家庭の相談に応じ、その個別にニーズに応じた施設やサービスの情報提供・助言等を行う窓口の設置を支援します。
【目標となる指標】
項目 | 現状 |
目標 |
利用者に寄り添った相談・情報提供の充実 | 24市町村 (R元年10.1) |
32市町村 |
〇情報提供機能の充実
・子ども・子育て支援新制度における事業者・事業所のサービス内容や運営状況等に関する情報を、ホームページ等を通じて公表し、子どもの保護者等が適切かつ円滑に特定教育・保育施設または特定地域型保育事業を利用する機会を確保します。
・子育て支援ポータルサイト「ぎふ子育て応援団」及び子育て応援のアプリケーションを運営し、子育てサービスや子育て関連施設、子育て家庭応援キャンペーン事業参加店舗、救急病院などの子育て家庭に有益な情報を総合的に提供します。
(4)多様な子育て支援サービスの充実
〇身近なところで提供される子育て支援の充実支援
・すべての子育て家庭がニーズに応じたサービスを受けられるよう、一時預かり、ファミリー・サポート・センター事業、病児・病後児保育など、市町村が実施するさまざまな子育て支援サービスの充実を支援します。
・市町村と連携して、18歳未満のすべての子どもを対象として、遊び及び生活の援助と地域における子育て支援を行い、心身ともに健やかに育成することができるように、児童館・児童センターの整備や機能の充実・向上を支援します。
・ぎふ清流文化プラザにおける子育て相談や一時預かり、親子でふれあい楽しめるサロン・講座等の子育て支援サービスの提供を支援し、子育て世代の不安の解消や親の子居場所づくり、健やかな子どもの育成等を図ります。
・県図書館では、子育ての中の方に安心して図書館を利用していただけるよう託児サービスを実施するとともに、親子で参加できる子育て支援プログラム「パパと過ごす図書館」を開催します。
【目標となる指標】
項目 | 現状 |
目標 |
一時預かりを実施している保育所等の数 | 262箇所 (R元年5.1) |
286箇所 |
地域子育て支援拠点施設を設置している市町村数 | 40市町村 (R元年5.1) |
42市町村 |
ショートステイを利用できる市町村数 | 29市町村 (R元年5.1) |
34市町村 |
トワイライトステイを利用できる市町村数 | 21市町村 (R元年5.1) |
26市町村 |
ファミリー・サポート・センター事業を利用できる市町村数 | 33市町村 (R元年5.1) |
42市町村 |
病児・病後児保育を利用できる市町村数 | 39市町村 (R元年5.1) |
42市町村 |
多機能化に取り組む児童館・児童センターの設置数 | 27箇所 (R元年9.30) |
35箇所 |
〇地域の子育てを支える人材確保及び資質向上のための研修の実施
・児童館・児童センターの職員等研修の充実を図るほか、地域の子育て支援に携わる方の情報交換の機会を設けるとともに、子育て支援活動の現場で活かせる子育て支援者向けの資質向上のための研修を行います。
・高齢者や育児経験豊かな方のほか子育てに関心のある学生など、子育て活動に理解と熱意のある多様な世代を対象とした研修を実施し、新たな資格である子育て支援員の認定を促進し、地域の子育てを支援する人材の確保に努めます。
・病児・病後児保育事業に従事する保育者の人材育成と資質向上を図るため、保育士や看護師を対象とした専門的な研修を行います。
【目標となる指標】
項目 | 現状 |
目標 |
子育て支援員の認定者数 | 2,051人 (R元年12.31) |
4,000人 |
<2>子どもの健やかな成長支援
(1)子どもの健やかな成長支援
〇家庭や地域の教育力の向上の推進
・子どもの発達段階に応じた家庭教育の内容や子育ての知識等を学んだり、子育てについての悩みを共有し支え合ったりするために、保護者を対象とした家庭教育学級の開催を推進します。
・県内各地で家庭教育学級のリーダーや学校関係者を対象とした研修を行い、家庭教育プログラムについて学んだり、家庭教育学級の実践について交流したりするkとおで、家庭教育学級の質の向上を図ります。
・県内各地域における家庭教育学級についての現状把握や支援、市町村の家庭教育支援に関する指導や助言、関係諸機関との連携の推進を通して、家庭や地域の教育力の向上を図ります。
・放課後子ども教室の取組を充実させることで、安全・安心な子どもの居場所を設けるとともに、地域住民の参画を得て、子どもたちと共に学習やスポーツ・文化活動、地域住民との交流活動等を推進するなど、地域ぐるみで子どもを守り育てる体制の構築を促進します。
〇企業・事業所と連携した家庭教育の支援
・県内企業や事務所に対して企業内家庭教育研修の実施を呼びかけるとともに、テーマに応じた講師を派遣し、子育て中の従業員やこれから親になる若い世代の従業員、子育てが一段落した従業員、管理職など幅広く家庭教育を推進します。
・家庭教育研修を実施する企業・事業所を、家庭教育の推進に理解のある企業として県民に広報し、実施企業の拡大を図ります。
【目標となる指標】
項目 | 現状 |
目標 |
企業内家庭教育研修を実施した企業・事業所等の数(累計) | 21企業 (R元年11.8) |
150企業 |
〇いじめ等の問題行動や不登校への対応
・いじめ等の問題行動は「いつでも、どこでも、どの子にも起こりうる」という認識に立ち、学校と保護者、地域の大人が連携して、地域ぐるみで子どもたちを健全に育てていきます。
・各学校における生徒指導に関するきまりや対応の指導基準を明確化し、保護者や地域住民に積極的に公表して理解や協力を求めるとともに、全教職員がこれに基づく一貫した指導ができるようにします。
・学校における教育相談活動の一層の充実を図るとともに、いじめ等の問題行動や不登校に対応するため、スクールカウンセラーをすベての小・中学校で活用できる環境を整え、教育相談体制の充実を図ります。
・学校だけでは解決しにくい生徒指導上の事例等に対し、スクールソーシャルワーカーを配置し、関係機関と連携を図りながら、児童生徒や保護者を取り巻く環境の改善に向けた支援を推進します。
・総合教育センター・各教育事務所で行う面接相談及び24時間体制で対応する電話相談において、いじめ等の問題行動や不登校に悩み苦しむ児童生徒や保護者に寄り添い支援する教育相談を推進します。
・警察の少年相談活動や、岐阜県警察スクールサポーター兼地域安全活動アドバイザーによる学校訪問活動の強化により、学校におけるいじめ事案等の早期把握に努め、把握した事案の重大性や緊急性等を踏まえ、学校と連携しながら、的確な対応を推進します。
〇子どもを取り巻く有害環境対策の推進
・子どもを健全に育てられる社会環境づくりのため、県民の意識高揚を図る活動を推進するとともに、有害図書など有害環境の浄化活動や監視活動を推進します。
・インターネット上の違法・有害情報の現状や、子どもたちが安全に、また安心してインターネットを利用する方法を紹介するリーフレットの配布などを通じて、子どもたちや保護者に対する啓発活動を実施します。
・ネット上のいじめの急増に対応するため、児童生徒の家庭でのインターネットやスマートフォン等の利用実態を把握した上で、学校関係者や保護者、児童生徒を対象とした情報モラル普及啓発活動を実施します。また、学校においてインターネットやスマートフォンの安全な使用方法などの情報モラル教育を推進します。
〇子どもの健やかな成長を促す食育や木育の推進
(食育の推進)
・生活習慣の基礎ができる子どもの時期に重点をおいた食育を推進するため、子どもが多くの時間を過ごし、健全育成に重要な役割を担う保育所・幼稚園での食育や小・中学校での栄養教諭等による食育、PTA活動や食育推進委員会などの組織を活かした食育を推進します。
・保育所・幼稚園等において、「食」とそれを支える「農」の大切さや重要性について体験し、学ぶ食農教育を推進します。
・食育応援企業登録制度などを活用し、ボランティア団体等の応援により、食育を県民運動へと盛り上げます。
・市町村と連携して、思春期までに健康的な食習慣を習得し、将来、自分は親となって子育てを行うという自覚を促す機会を設けます。
【目標となる指標】
項目 | 現状 |
目標 |
子どもの朝食欠食者割合(3歳児) | 4.3% (H31.1) |
0% |
子どもの朝食欠食者割合(小学生) | 4.9% (H30.11) |
0% |
子どもの朝食欠食者割合(中学生) | 7.7% (H30.11) |
0% |
(木育の推進)
・「ぎふ木育30年ビジョン」に基づき、企業、NPO、地域の人々と連携して、保育所・幼稚園から高等学校、特別支援学校までの子どもたちに対し「木育教室」や「緑と水の子ども会議」など木育講座を実施し、岐阜の森林(自然)に誇りと愛着をもち、責任ある行動をとることができる人づくりを推進します。
・ぎふ木遊館において、誰でもいつでも木育にふれあい、親しみ、学ぶことができる場を提供します。
・教育施設等への県産材を活用した玩具や教材の導入を支援するほか、保育士や教員等に対して、ぎふ木育の指導者を育成する研修会を開催します。
【目標となる指標】
項目 | 現状 |
目標 |
木育教室・緑と水の子ども会議 参加人数(累計) | 27,584人 (H31.3.31) |
68,800人 |
木育・森林環境教育指導者研修受講者数(累計) | 414人 (H31.3.31) |
890人 |
〇子どもの安全の確保
・子どもを犯罪や事故などの被害から守るため、パトロールや見守り活動などの地域住民主体の自主的なボランティア活動を支援します。
・地域住民やボランティアが行政、警察、学校等と情報共有できるような連携体制を整備するとともに、保護者や周囲の大人に対して、それぞれの立場でできる事故予防策や子どもを犯罪等から守るための情報を積極的に発信します。
・子どもが犯罪被害や事故に遭わないようにするために、防犯教室や交通安 全教室等の開催や警察による指導、助言を通して、子どもに対する安全教育を推進します。
(2)多子世帯等の経済的負担の軽減
〇多子世帯に対する経済的支援の充実
・3人以上の子どもの出産を望む人が安心してその希望を実現することができるよう3人以上子どもがいる多子世帯への経済的支援の充実を図ります。
・幼児教育・保育の無償化に伴って、新たに副食費負担が生じた家庭に対し、従来の保育料の補助に加え、副食費についても支援の対象とし、多子世帯を経済的に支援します。
・子育て家庭応援キャンペーン事業において、3人以上の子どもを持つ世帯に対しては、「ぎふっこカード」の特典に上乗せした特典を受けられる「ぎふっこカードプラス」を発行します。
・岐阜県住宅資金助成制度により、3人以上子どもがいる多子世帯等による空き家改修を支援します。
【目標となる指標】
項目 | 現状 |
目標 |
多子世帯病児・病後児保育利用料無償化実施市町村数 | 27市町村 (H31.3.31) |
42市町村 |
第3子以降保育料等無償化実施市町村数 | 40市町村 (H31.3.31) |
42市町村 |
〇子育て世帯の経済的負担の軽減
・乳幼児医療費やひとり親家庭等の医療費への助成、奨学金の貸与、岐阜県住宅資金助成制度の利子補給などにより、子育てのための経済的負担の軽減を図ります。
・国に対して、子育ての経済的負担の軽減につながる対策について取り組むよう、必要な働きかけを行っていきます。
【目標となる指標】
項目 | 現状 |
目標 |
第2子以降放課後児童クラブ〜利用料減免実施市町村数 | 14市町村 (R元年12.1) |
放課後児童クラブを 実施する全市町村 |
(3)配慮を要する子どもや家庭への支援の充実
〇障がいのある子どもの療育支援
・岐阜県発達障害者支援センターのほか、各圏域に設置する圏域発達障がい支援センターにおいて、自閉症等の発達障がい児やその家族に対する 専門的な相談支援を行うとともに、発達障がいの早期発見・早期支援を図るため、各圏域に発達障がい専門外来医療機関を設置します。
・発達障がいに関わる地域の関係機関のネットワーク化を図り、発達障がい児が療育から教育、地域生活まで、切れ目のない支援を受けることができる体制を整備します。
・希望が丘こども医療福祉センターの児童精神科が有する発達障がい児支援のノウハウや研究成果について、センター内の発達精神医学研究所が行う巡回訪問相談や研修会等により関係者の理解を深め、発達障がい児を支援する医師や療育人材の育成を図り、診療・療育体制の充実に努めます。
・障がい児の医療に従事する医師、看護師の育成に向けて、「小児在宅医療 教育支援センター」の設置や、重症心身障がい児看護のための専門研修を実施するなど、障がい児に対する支援体制の充実に努めます。
・医療的ケアが必要な重症心身障がい児等が必要な障害福祉サービスを利用できるよう、医療機関等による短期入所の拡大や医療的ケアができる介護職員の増加を図ります。
〇障がい児保育の支援と特別支援教育の充実
・障がいのある子どもを受け入れている保育所に対し、地域の関係機関等との連携を図ることができるよう必要な支援を推進します。
・長時間通学による児童生徒の負担を軽減するため、片道の乗車時間がおおむね60分以内となるようスクールパスを配備します。
・知的障がいの程度が軽度である生徒の職業教育の充実を図るため、県内各地域に高等特別支援学校機能を整備します。また、特別支援学校において、一人一人の教育的ニーズに応じて、多様な学びの場を柔軟に活用できるよう支援体制の充実を図り、各学びの場における適切な指導支援を行うための教員の専門性を高めていきます。
・小・中学校や高等学校の通常の学級に在籍する発達障がい等、特別な支援が必要な児童生徒が安心して学び、将来の自立した生活に必要な力を高めるため、学習過程の見通しが持てる工夫や、集中しやすい教材・教具の開発など、障がいの有無に関係なく、どの児童生徒にとってもわかりやすい授業づくりの推進に加え、コミュニケーションスキル等を学ぶ通級による指導の充実を図ることを目的とした担当教員の養成研修を実施します。
・地域の特別支援教育の中核となる主幹教諭を配置し、障がいのある児童生徒への指導・支援を適切に行うための校内支援体制の強化、特別支援学級担当教員の専門性と個別指導の力量を養うための研修会の提供など、教育環境の整備に努めます。
【目標となる指標】
項目 | 現状 |
目標 |
障がい児の受入が可能な保育所数 | 437箇所 (H31.4.1) |
全施設 |
特別支援学校高等部及び高等特別支援学校卒業生のうち、就職を希望する生徒の就職率 | 98.7% (H30年度) |
100% |
通級指導教室担当教員養成研修の受講教員数 (累計) | - | 175名 |
〇多胎妊産婦・家族に対する妊娠中からの支援の充実
・多胎妊産婦及びその家族の社会的・身体的・精神的負担を軽減するため、多胎妊娠・育児に特化したサポートブックの配布、妊娠期における学習・交流のための「プレママパパ教室」の開催、「母と子の健康サポート事業による早期家庭訪問支援等を行うなど、医療機関や市町村、NPO等関係機関との連携による妊娠、出産、育児期までの一貫した支援体制の構築に努めます。
〇子どもの成長発達の特性等に配慮した支援の充実
・現行の母子健康手帳に加え、低出生体重児等の各特性に応じた子育て支援手帳の提供を通じ、保護者の心理的な負担を軽減するとともに、子どもの成長発達の特性等に応じた支援の充実を図ります。
〇子育てと介護を同時に行うダブルケアへの支援
・市町村や関係機関の職員のダブルケアに関する理解を深め、ダブルケアに対する支援を推進します。
〇ひとり親家庭の子どもと親への支援
・離婚等によるひとり親家庭や未婚のひとり親家庭の子どもに対する学習支援事業を実施するとともに、ひとり親家庭の育児や家事等の課題に対応するための相談支援、より条件の良い仕事に就くための就業支援、生活の安定のための経済的支援等を行います。
〇外国人の子どもや家庭への支援
・外国人の子ども・保護者向けの生活設計支援講座の開催や、子ども向けの心の相談、外国人への子育てに関する情報提供等を通じて、日本で子育てを行う外国人を支援します。
・日本の保育制度や、保育施設の利用に向けた手続き方法、市町村の窓口などをまとめたガイドブックや、日本の小学校の教育内容や保護者の役割など、小学校入学前の準備等に関する情報をまとめたガイドブックを配布し、子育て等に関する情報を外国人へ提供します。
・市町村が実施する、来日して間もない児童生徒が日本語や学校生活について学ぶ初期指導教室などのハード整備や、多言語広報物作成、日本語教室の運営などのソフト事業を支援します。
〇育児不安の解消と児童虐待の防止
・育児に不安や孤立感等を持っ保護者の早期把握・継続的支援を行うため、市町村における子どもの成長発達の段階に応じたきめ細かい健康診査や育児相談体制の充実と、子育て世代包括支援センター等、地域に密着した支援体制の強化を支援します。
・妊娠出産や子育てに不安を抱える妊産婦や、未熟児や病気を持って生まれた子どもとその養育者に対し、「母と子の健康サポート事業」等により医療機関や市町村等関係機関と連携のもと、必要な支援に努めます。
・妊娠、出産及び育児期に養育支援を行うことが特に必要と認められる特定妊婦への適切な対応を進め、虐待を防止するため、市町村や乳児院、関係機関の連携により、支援や援助が必要な家庭に関する情報共有や具体的な支援内容等を検討することを目的として全市町村に設置された要保護児童対策地域協議会の機能強化に向けた取組みを推進します。
・児童虐待防止の総合的な対策のために、児童福祉司を計画的に増員するなど子ども相談センター(児童相談所)の体制を強化します。
〇悩みを持つ子どもの相談や被害に遭った子どもなどの立ち直り支援
・悩みを持ち、困難を抱える子どもたちやその保護者等が気軽に相談できる体制の充実と広報に努めるとともに、岐阜県青少年SOSセンター等の相談員の資質の向上や専門的対応のできる者の適切な配置に努めます。
・警察や学校、NPOと連携し、青少年に対する適切な支援を推進します。
・虐待が起こった家族の再統合に向けて、子ども相談センターにおける親や被虐待児に対するカウンセリングなど心理的なケア対策を充実します。また、保護者指導支援プログラムの活用や研修会等を通じて、ケアを担う子ども相談センター職員や市町村の相談員の相談援助技術の向上を図ります。
〇社会的養育の推進
・一時保護された子どもや、児童養護施設等に入所又は里親へ委託された子どもの権利を擁護するため、当事者である子どもからの意見聴取や子どもの権利を代弁する取組みを推進します。
・里親やファミリーホームへの委託を推進するため、里親のリクルートやアセスメント、里親登録前後の里親研修、子どもとのマッチング、委託中里親への支援など、里親に対する包括的な支援に取り組みます。
・児童養護施設等に入所している子どもを、できる限り家庭的な環境の下で養育するため、施設の小規模化、地域分散化を促進するとともに、地域の社会的養育を支える専門的な拠点として、施設の高機能化、多機能化などを促進します。
・家庭に対する養育支援を充実強化するため、市町村子ども家庭総合支援拠点の設置を促進します。
・社会的養護の担い手となる児童養護施設等の職員の確保と専門性の向上に努めます。
・社会的養護により育った子どもが、社会において自立していけるよう、児童養護施設等の自立支援機能の強化を図るとともに、児童養護施設等退所者の自立支援を推進します。
・配偶者などからの暴力被害者やその同伴児童の保護にあたって、女性相談センター、一時保護所や婦人保護施設において、被害者及びその家族の多様な状況に応じて、適切な保護・支援ができるよう体制整備や施設面の充実に向けた取組みを推進します。
【目標となる指標】
項目 | 現状 |
目標 |
要保護児童のろち里親及びファミリーホームに委託されている児童の割合 | 16.1% (H31.3.31) |
29.2% |
「子どもの権利擁護」に関する研修を受講した里親、乳児院、児童養護施設等、市町村、子ども相談センターの職員の割合 | 0% (H31.3.31) |
100% |
全ての棟が小規模化・地域分散化した乳児院及び児童養護施設の数 | 1施設 (H31.4.1) |
8施設 |
子ども家庭総合支援拠点を設置している市町村数 | 5市町村 (H31.4.1) |
42市町村 |
ぎふ職親プロジェクト加盟企業数 | 23企業 (H31.3.31) |
77企業 |
(4)子どもの貧困対策の推進
〇子どもの育ちへの支援
・高等学校等就学支援金制度や、貸与型・給付型奨学金制度を実施することにより、低所得世帯の経済的負担の軽減を図ります。
・貧困家庭の子どもを早期の段階で生活支援や福祉制度につなげていくことができるよう、スクールソーシャルワーカーを活用し、ケースワーカー、医療機関、子ども相談センター、要保護児童対策地域協議会などの福祉部門との連携を図ります。また、児童生徒の感情や情緒面の支援を行うため、スクールカウンセラーを活用し、教育相談体制の充実を図ります。
・精神面や経済面で不安定な状況におかれ、学習等に課題を抱える子どもに対し、地域のボランティア等の活用を通じ、学習意欲の喚起や教科指導を行います。
・生活困窮世帯やひとり親家庭等の学び直し等を支援することで、より良い条件での就職や転職に向けた可能性を広げ、正規雇用を中心とした就業等につなげていきます。
・要保護及び準要保護者への就学援助を実施する市町村に対し、入学時及び進級時の書類による制度周知と、新入学児童生徒学用品費等の入学前支給の早期実施に向けて、働きかけを行います。
【目標となる指標】
項目 | 現状 |
目標 |
生活困窮世帯やひとり親家庭の子どち等を対象とした学習支援事業を実施する市町村数 | 13市町村 (H31.3.31) |
30市町村 |
就学援助制度に関する周知状況(入学時及び毎年度の進級時に学校で就学援助制度の書類を配布している市 町村数) | 14市町村 (H29.7) |
42市町村 |
新入学児童生徒学用品費等の入学前支給の実施状況 (小学校) | 17市町村 (H30.7) |
42市町村 |
新入学児童生徒学用品費等の入学前支給の実施状況 (中学校) | 20市町村 (H30.7) |
42市町村 |
〇子どものくらしへの支援
・包括的な里親養育支援に取り組むほか、社会的養護の担い手となる児童養 護施設等の職員の確保と専門性の向上を図ります。また、施設における自立支援機能の強化を図るとともに、児童養護施設等退所者が安心して就職、進学、アパート等を賃借することができるよう、身元保証人を確保するほか、自立支援に向けた取組み等を推進します。
・生活習慣の基礎ができる子どもの時期に重点をおいた食育を推進します。
・母子父子寡婦福祉資金貸付金の住宅資金や転宅資金の貸付けを通じてひとり親家庭の住宅支援を行うほか、生活困窮者に対し、住居確保給付金を支給します。
・支援が必要な子どもへの食事の提供等を通じた居場所づくりとしての「子ども食堂」を実施し又は支援する市町村の取組みを支援します。
・子どもの居場所(学習支援や子ども食堂等)づくりを支援するため、立ち上げ方法や運営に関する課題について、運営者等が助言を求められる体制の整備等を推進します。
・ひとり親家庭や住宅困窮度の高い子育て世帯について、公営住宅への優先入居を行うなど、居住の安定を支援していきます。
・子育て世帯の入居を拒まない住宅の登録数を増やすなど、民間賃貸住宅を活用した住宅セーフティネット制度を推進します。
【目標となる指標】
項目 | 現状 |
目標 |
生活困窮世帯やひとり親家庭の子ども等を対象とした 子ども食堂を実施又は支援する市町村数 | 6市町村 (H31.3.31) |
25市町村 |
〇子どもを養育している方への支援
・養育支援を必要とする子どもや妊婦の家庭を早期に把握し、特定妊婦への適切な対応を進めるため、市町村や乳児院、医療機関等と連携し、養育についての相談、助言を行います。
・経済的問題や心身の不安といった問題を抱える母子を保護し、自立を促進する母子生活支援施設において、心身の不安を解消し、母子家庭の早期自立が図られるよう支援していきます。
・配偶者暴力等防止地域協議会における事例研究や情報共有により、母子生活支援施設と福祉事務所、女性相談センター、子ども相談センターなど の関係機関との連携を深めていきます。また、施設職員の資質向上のための研修会の開催や情報提供等により支援体制の充実を図ります。
・保護者や、家族等のひきこもりやニート、発達障がいや多重債務等による生活困窮により子どもが社会的な孤立に陥ることのないよう、生活困窮者に対する自立相談支援事業を実施します。実施にあたっては真に生 活に困窮している方の自立を図るため、本人の主体性を尊重し、押し付けにならない寄り添い型の相談支援・就労支援を行います。
・自立相談支援の過程においてより意欲的に自己の生活改善を目指す方に対して、自立のための家計相談に専門的に応じられるような支援体制の構築を推進するとともに、生活困窮者の中で直ちに一般就労が困難な方に対しては、就労訓練(いわゆる中間的就労)の場が提供できるよう、制度の普及啓発等を通じ、就労訓練事業に取り組んでもらえる事業者の掘り起こしを進めます。
・ひとり親家庭の親や生活困窮者に対する就業支援体制を強化するため、ハローワークをはじめとするさまざまな関係機関との連携を図り、就業相談、就業支援講習会、就業情報の提供、各種雇用関係助成金の活用の推進、就労活動に取り組む方への給付金の支給等、相談から就業までの一貫した就業支援サービスを推進します。
・家庭での育児や家事、精神面・身体面等、ひとり親家庭が直面する課題に対応するための相談支援を行います。また、ファイナンシャルプランナーによる家計相談等を実施するとともに、ひとり親が抱える悩みを当事者同士で共有し、相談し合える環境づくりを推進します。
・児童扶養手当の支給、母子父子寡婦福祉資金貸付金の修学資金等の貸付けなどにより、ひとり親家庭の生活の安定を図り、子どもが置かれている環境に左右されず進学等の機会を得られるよう支援します。
・養育費の確保率を高めるため、養育費の取り決めや取得手続きに関する相談・情報提供の充実を図るとともに、面会交流を支援します。
・県社会福祉協議会が実施する生活福祉資金貸付制度と密接な連携を図り、資金の貸付けと必要な相談支援を通じた低所得者世帯の経済的自立、生活意欲の促進等を図ることで、安定した生活を送られるようにします。
【目標となる指標】
項目 | 現状 |
目標 |
年間就業支援講習会受講者数 | 63人 (H30年度) |
90人 |
年間高等職業訓練促進給付金受給者数 | 142人 (H30年度) |
180人 |
〇地域の理解の促進
・福祉、教育、NPO法人等の子どもの居場所づくり関係者等を対象としたセミナーの実施等により、子どもの貧困対策の重要性の理解を深め、関係者間の連携を強化します。
・県内に住む子どもを取り巻く環境が、子どもの日々の生活などに、どのように影響しているかを調べ、その結果を県の取組みに活用します。
※SDGsとは、Sustainable Development Goals (持続可能な開発目標)の 略。2015年の国連サミットで採択された2030年を期限とする先進国を含む国際社会全体の17の開発目標。すべての関係者(先進国、途上国、民間企業、 NG◦、有識者等)の役割を重視し、「誰一人取り残さない」社会の実 現を目指して、経済•社会•環境をめぐる広範な課題に統合的に取り組むもの。